東大大学院中退の戯言

院生だった当時に気持ちを吐き出すためにこのブログを開設しました。自称うつ病で中退しましたが、なんとか生きてます。

鬱になった経緯や原因

個人情報はあまり出したくないが、今の自分に多少なりとも影響しそうなことは出していこうと思う。


今僕は大学院2年生(1度留年したので実質3年生)なのだけど、思うと卒論提出の時期(4年前の12月)あたりがその発端じゃないかと思う。
鬱になった原因は超端的に言うと、【高すぎる目標+ゴールの見えない研究テーマ+放置系研究室】にあるのかもしれない。他にも鬱を助長する原因はあるかもしれないが大きく言えばその3つ。
意欲ある大学院生が鬱になるというのはありがちらしいが、まあそれだ。
一括りにされるのもなんか嫌だが、それでしかない。

高すぎる目標

元々僕は研究職に就きたかった。学問は好きだったし、今でも学問が好きだ。高校生の頃はニュートンのような自分の発見が後世に語り継がれる存在を夢見ていたような奴だった。ノーベル賞というやつだ。
(後で書くかもしれないけどこんな今でも研究者の道を諦めるべきだという想いと、まだ道は残されているという想いの葛藤がある。)
余談になるけど一応就職活動は終わっていて、研究職でなくとも頭を使う仕事をしたいと思っていたのでそういう仕事にした。(研究職に応募したけれど落とされたというのもある。そりゃぁ論文も出さず留年してる院生を研究者として採ってくれるところはない)卒業できればの話だが。

話を戻すとそんなこんなで高校か中学のころから研究者を夢に掲げて生きてきたわけで、そのために人一倍頑張って東大にも入ることができた。自分の努力で最高学府に入れたという自負が尊大な自尊心を肥大化させたに違いない。
周囲の東大生に比べれば特別賢いわけでもなく平々凡々な東大生なわけだけど、進路振り分けではそれなりに頑張って希望の学科・研究室に配属が決まった。そのこともまた余計に自分は研究者になるんだという自負とプライドを高めたのだと思う。
そんなこんなで中高から順調に進んでいた僕は研究室に入れば認められる成果を上げなければいけないという高すぎる目標を抱くようになってしまった。
今思えば学部生や院生などそこまで大した研究ができるはずないのに。

放置系研究室

配属された研究室は噂には聞いていたけれどいわゆる放置系研究室というやつだった。
上から指示が降ってくることはなく、自らテーマを見つけゴールを設定し自分で進めていくタイプだ。
強制されるのは全体の定例会に参加することと、定例会の中で年に4、5回ある自分の番で進捗報告と質疑応答をすることだった。
(ただ定例会で自分の番の時は、1,2か月分の成果を求められるので結構プレッシャーがあり緊張する。)

調べてみると拘束時間の多いブラック研究室と並んで放置系研究室も脱落者(うつ病)が多いらしい。放置系ブラックと呼ばれている。

ただ、今でも放置系研究室が悪いとは思わない。そこでもそれなりのことをしてきたOBたちはいるし、向き不向きの問題なんだと思う。自分はそのタイプに向いていなかっただけだ。
放置されて研究できないというのは、つまり研究者に向いていないということだ。受け入れがたい事実だったけれど事実なのだから仕方ない。
幸い性格の悪い先輩や先生はいなかったので、研究室に恨みはない。申し訳なさしかない。

ゴールの見えない研究テーマ

この研究室ではテーマを自分で選ぶわけだけれど、ざっくりとした分野は決めていたので問題なかったが深く勉強していなかった。
やりたかったことはすでに研究しつくされていて、ゴールを設定するのが難しかった。自分の能力的にも分野的にもいわゆる新規性を出すというところが難しかった。
その上、さっきも言ったようになにか壮大なことをしようとしすぎていた。
おかげで先輩に相談に乗ってもらっても自分でも考えがまとまらなかったしやってることが少し違うため的確なアドバイスをもらうことができなかった。どこかで高すぎるプライドと現実との折り合いをつけるべきだった。

学部生では手を動かす作業をする前に論文を読んでテーマを選んでは2か月に1回の進捗報告でダメ出しを頂いてテーマを模索し直す日々だった。卒論ではゴミのようなものを提出したが、完全に心が折れていた。
大した成果を出せない自分と成果を出さないといけないという理想の自分にギャップがありすぎたこと、論文を漁ってはテーマ設定のやり直しを繰り返すあまりどう足掻いてもだめなんじゃないかという学習性無気力の状態、がストレスとなり鬱を芽生えさせたのだと思う。

一人暮らし

実家は東京ではないので、東京で一人暮らしをしている。
一人暮らしは本当によくない。一人暮らし+放置研究室というのは特にダメだ。
いつ行ってもいいしいつ帰ってもいい。特に決まりはないし定例会にさえ参加できていればいい。
成果を出せない(手を動かさない)状態でいると周囲からの目も気になってきて、定例会で報告することはもちろん普段から研究室に顔を出すことすら気が引けてくる。特に行かなくても怒られないので自然に行かなくなってしまう。
一人暮らしでいると家にいても誰からも何も言われないので自然に研究室から足が遠のくことになる。
そうなると余計に成果が出せなくなってしまう。
成果が出せなくなり、足が遠のき、また成果が出せなくなるという悪循環に陥りうつ病が加速していく。
特にうつ病になると何かアクションを起こすことが病的に困難になるため誰の手も借りれない一人暮らしだとこのスパイラルから抜け出すことができなくなってしまう。




文章としてまとまりのないものになってしまったなぁ
院生以降のことや研究室に行かなくなったこともいずれ書くかもしれない。